日本では、「1月、2月、3月…」という現代的な月の呼び方の他に、季節の特徴を表す伝統的な月名が存在します。
「睦月」もそのひとつですが、この名前は一体どの月を指すのでしょうか?
この記事では、睦月が指す月、その意味、読み方、そして語源や由来を詳しく説明します。
また、子供たちにも分かりやすいように、この月の特徴や別名についても触れます。
睦月はどの月?読み方は?
睦月は「1月」を指します。
この月の呼称「むつき」は、元々旧暦の1月を表していました。
現在では、新暦の1月として広く認識されていますが、旧暦は太陰太陽暦に基づくため、月の満ち欠けに従います。
そのため、新暦の太陽暦と完全には一致しないこともあります。
旧暦の1月を新暦で示すと、大体が1月の終わりから3月初めにかけての期間に相当します。
睦月の由来とその背景について
「睦月」の名前にはいくつかの起源説が存在します。
最初の説は、「睦び月」(むつびつき)が由来とされています。
これは、新年に家族や親戚が集い和やかに過ごすことから、仲良くする月、即ち「睦び月」と呼ばれるようになり、「睦月」という名前に変化したとされます。
次の説は、「元月」(もとつき)に由来します。
これは新年の初めを意味する月であり、時間が経つにつれて「元月」から「むつき」と呼ばれるようになったと言われています。
三番目の説は、「実月」(むつき)が起源だとされています。
1月に行われる稲の種まき作業が名前の由来で、この月が作業の開始を意味する「実月」と呼ばれ、その後「睦月」と呼ばれるようになったと考えられています。
漢字「睦」の成り立ちと意味
漢字「睦」は、「目」と「坴」という部首の二つの組み合わせからなっています。
「目」は人の目を表す象形文字で、視覚を象徴します。
一方、「坴」は土が盛り上がる様子や集まることを意味します。
この二つの部首から、「睦」はもともと人々が集まる様子を示す文字でした。
その意味は転じて、「人々が親しく仲良くする」という意味を持つようになりました。
さらに、「坴」は「穆」とも関連し、「穆」は「柔らかい」や「やわらかい」という意味を持つため、「穏やかな目」を通じて人々が和やかに交流する様子を表すように解釈されています。
睦月の多様な呼び名とその意味
1月は広く「睦月」と呼ばれていますが、この月には様々な別称が存在します。
以下に、睦月の代表的な別称とその背景を紹介します。
初春月(はつはるつき):「春の最初の月」を意味し、旧暦で春とされる1月から3月の期間を指します。
孟春(もうしゅん):「孟」は「最初」を意味し、春の始まりを示します。
新春(しんしゅん):旧暦の1月を指し、新しい春の始まりを象徴しています。
早緑月(さみどりづき):この時期に自然の緑が増え始めることから名づけられました。
初空月(はつそらづき):新年の始まりとともに迎える年の最初の空、特に元日の朝の空を指します。
子日月(ねのひづき):旧暦の年の始まりである「子の日」を指します。
太郎月(たろうづき):「太郎」は「始まり」を意味し、新年の最初の月を表します。
年の始まりを祝うその他の呼び名もあります。
- 年初月(としはつき)
- 初月(しょげつ)
- 年初(ねんしょ)
- 初歳(しょさい)
- 歳始(さいし)
- 歳首(さいしゅ)
- 正月(しょうがつ)
さらに、次のような別称もありますが、これらの意味や由来は一部不明確です。
- 祝月(いわいづき)
- 初見月(はつみづき)
- 三微月(さんびづき)
- 開春(かいしゅん)
- 発歳(はっさい・はっせい)
- 主月歳(しゅげつさい)
- 暮新月(くれしづき)
- 陽春(ようしゅん)
- 肇春(じょうしゅん・ちょうしゅん)
- 端月(たんげつ)
- 桐月(とうげつ)
- 初陽(しょよう)
- 芳春(ほうしゅん)
新年には多くの人が家族や親戚と再会し、新しい年の到来を祝います。
睦月は、家族や友人との親密な交流を楽しむ特別な月として、新年の希望や祝福の願いが込められた多くの名称で呼ばれています。
子どもへ「1月が睦月と呼ばれる理由」の説明方法
子どもたちに1月が「睦月」と呼ばれる理由を説明するときは、シンプルで親しみやすい言葉を選ぶといいでしょう。
このように説明することで、1月が「友情や家族愛が深まる月」とされる理由とその名前の由来を、子どもたちにも分かりやすく伝えることができます。
お正月に親戚が集まって賑やかに過ごすイメージを結びつけると、子どもたちにとってさらに理解しやすくなりますよ。