12月に入り年の瀬が迫る中、気温も下がり、冬の訪れを知らせる冬至が近づきます。
今年の冬至は具体的にいつでしょうか?
また、その日はどんな意味を持つのでしょうか?
本記事では、冬至にかぼちゃを食べたり、柚子湯に入るというユニークな風習の背景とその意味に迫ります。
冬至とは一年で最も日の短い日
冬至は毎年12月に訪れる二十四節気のひとつで、この日は一年で最も昼が短く、夜が長い日です。
二十四節気とは、一年を24に分ける節目のことです。
その中で冬至は、22番目に位置しています。
この日、太陽は黄道上で最も南に達し、太陽が通る道(黄道)と赤道の交点を春分点と言い、春分点から270度の位置が冬至点です。
太陽の位置が北半球で最も低くなる為、日照時間が短くなります。
ただし、一年で最も日の出が遅い日や日の入りが早い日は、冬至とは少しズレています。
これは地球の軸の傾きと、公転軌道が楕円形であるためです。
1月初旬は1番日の出が遅く、12月初旬日は入りが1番早いのはとされます。
そして冬至は昼の時間が最も短くなることで知られています。
冬至は夏至と対をなす節気で、夏至は一年で昼が最も長い日です。
冬至を過ぎると、日照時間が徐々に延び始め、「一陽来復」と言われ、新たな始まりや運気上昇の象徴とされています。
2024年冬至の概要!全国の日照パターンと伝統的風習
2024年の冬至は12月21日、土曜日です。
全国の冬至日照時間の比較
2024年12月21日の冬至における日本各地の日の出・日の入力時刻と日照時間です。
各地域の冬至の日照時間をご覧ください。
地域 | 日の出時刻 | 日の入り時刻 | 日照時間 |
---|---|---|---|
北海道札幌市 | 7:03 | 16:03 | 9時間00分 |
宮城県仙台市 | 6:49 | 16:20 | 9時間31分 |
東京都 | 6:47 | 16:32 | 9時間45分 |
群馬県前橋市 | 6:52 | 16:32 | 9時間40分 |
新潟県新潟市 | 6:56 | 16:28 | 9時間32分 |
愛知県名古屋市 | 6:57 | 16:44 | 9時間47分 |
大阪府大阪市 | 7:01 | 16:51 | 9時間50分 |
高知県高知市 | 7:06 | 17:02 | 9時間56分 |
鳥取県鳥取市 | 7:08 | 16:54 | 9時間44分 |
山口県山口市 | 7:16 | 17:09 | 9時間53分 |
福岡県福岡市 | 7:19 | 17:14 | 9時間55分 |
長崎県長崎市 | 7:19 | 17:19 | 10時間00分 |
鹿児島県鹿児島市 | 7:13 | 17:19 | 10時間06分 |
沖縄県那覇市 | 7:12 | 17:42 | 10時間30分 |
この表により、日本全国で冬至の日の光の差異を一目で比較でき、地域によって異なる冬の日照状況が明確に示されます。
冬至に食べる伝統的な食材とその背景
冬至には「ん」を含む食材を食べることで運を招くとされ、この風習を「運盛り」と呼びます。
以下の食材がこの日に好んで食べられます。
- 人参(にんじん)
- 大根(だいこん)
- 寒天(かんてん)
- インゲン
- 蓮根(れんこん)
- 銀杏(ぎんなん)
- 金柑(きんかん)
- うどん
これらの食材は幸運を引き寄せると信じられています。
特にかぼちゃは冬至に不可欠な食材で、「南京」とも呼ばれ、「南」が冷え込む冬から暖かな春への転換を象徴しているとされます。
かぼちゃは栄養が豊富なため、冬の健康管理にも適しています。
また冬至には、小豆粥を食べる習慣もあります。
この慣習は中国から伝わり、小豆の赤い色が邪気を払い厄を避ける効果があるとされています。
特に北海道や東北地方では、小豆とかぼちゃを合わせた「いとこ煮」という料理が人気です。
冬至におけるゆず湯の風習!起源と効果
冬至にゆず湯に浸かることは、健康に良い影響をもたらすとされ、その背景にはいくつかの理由があります。
身体と心の浄化のため
冬至にはゆずが旬を迎え、その強烈な香りが邪気を追い払うと古くから信じられています。
この時期にゆずの香りを浴びることは、心身の清浄化作用があるとされ、「運盛り」の前の浄化儀式としても行われています。
健康と長寿への願掛け
ゆずの木が長生きで病気知らずとされることから、ゆず湯に入ることで無病息災を願う風習が生まれました。
語呂合わせによる願い
「冬至」を「湯治」と掛け、「ゆず」を「融通」と結びつけ、「ゆず湯に浸かることで物事がスムーズに運ぶように」という願いが込められています。
ゆずに含まれるビタミンCは皮膚を保護し、その保湿効果や抗酸化作用が老化防止に役立ちます。
また、その香りはリラックス効果を促し、冷え性の改善や風邪の予防にも有効です。
ゆず湯の作り方
- 丸ごと入れる: ゆずを丸ごと湯船に入れると、香りが強くなります。
- スライスして入れる: ゆずを輪切りにして湯船に入れると、香りが素早く広がります。
- 皮のみ使用: ゆずの皮を利用し、湯船に入れる方法です。
- 果汁を利用: ゆずの果汁を絞って湯船に入れる方法もありますが、皮膚が敏感な方は慎重に使用してください。
入浴時は、湯の温度を38度から40度に設定し、ゆったりとリラックスしながら浴びるのがおすすめです。
「一陽来復」と唱えながらの入浴は、新たな年に向けた運気の向上につながるとされています。
この冬至に、伝統的なゆず湯で身体と心を温め、新しい年を迎える準備をしてみましょう。