ボーナスが支給される時期が間近になると、多くの人々がわくわくするものです。
しかし、日本におけるボーナス制度の始まりやその歴史に詳しい人は意外と少ないかもしれません。
この記事では、ボーナスの起源について、そして特に日本での制度の発展に焦点を当ててご紹介します。
ボーナスの語源と日本での意義
「ボーナス」とは英語では「bonus」と言われ、意味は「予期せぬ贈り物」です。
この言葉の起源はラテン語の「bonus(ボヌス)」で、「良い」という意味があります。
また、この言葉は古代ローマの豊穣と成功の神「Bonus Eventus(ボヌス・エヴェントス)」に由来しているのです。
英語圏ではこの語はプレミアムや奨励金、特別配当といったさまざまな文脈で使用されています。
日本におけるボーナスは「賞与」とも呼ばれ、定期給与に加えて主に夏と冬に年2回、追加の金銭的報酬が支給されます。
日本のボーナス制度は西洋と異なり、支給時期や金額に一定の規則性があるのが特徴です。
日本でのボーナス支給の慣習と時期
ボーナスの支給時期は、企業によって異なりますが、多くの場合、年に2回、夏と冬に分けて支給されるのが一般的です。
夏のボーナスは6月末から7月末にかけて、冬のボーナスは主に12月に支給されます。
企業はこれらの日程を好きな時に設定できるため、通常は通常の給料日とは異なる日に支給されます。
公務員においては、国家公務員の賞与は法律によって6月30日と12月10日に支給される日が固定されています。
地方公務員も大体はこのスケジュールに従いますが、地域によっては異なることもあります。
民間企業ではボーナスの支給タイミングが以下のように異なります。
- 基本給に連動する賞与: 一般的には年2回、夏と冬に支給
- 業績に連動する賞与: 業績に基づき、主に夏と冬に支給
- 決算賞与: 企業の業績に応じて、決算月の前後で支給されることが一般的で、事業年度終了後1カ月以内の支給が多いです。
ボーナスの支給は法的に義務付けられているわけではないため、企業のポリシーに依存します。
そのため、具体的なボーナスの有無や支給条件は、各企業の就業規則で確認する必要があります。
以下は、さまざまな職種と企業規模におけるボーナスの支給情報です。
- 国家公務員は夏は6月30日、冬は12月10日に支給
- 地方公務員は多くが国家公務員と同様の日程で支給
- 大企業は夏と冬のボーナスを6月30日と12月10日に支給することが多い
- 中小企業では夏と冬のボーナスが6月と12月に支給されることが一般的です
これらの情報は公務員と民間企業、そして企業規模によって変わるため、所属する組織の具体的な情報を事前に確認することが推奨されます。
ボーナスの歴史とその日本における発展
ボーナスの制度は、江戸時代の「お仕着せ」という習慣から派生したと考えられています。
「お仕着せ」とは、盆や正月に主人が奉公人に新しい着物を贈る風習で、奉公人が祭りの時に帰省する際に新しい着物を着ることが多かったからです。
この慣習が現代のボーナス制度へと発展し、特に夏と冬に支給されるボーナスが確立されました。
日本で最初に賞与を支給したのは三菱商会で、明治9年(1876年)に海運部門が競争に勝利したことを契機に、従業員へ感謝の意を込めて賞与が支給されました。
これが現代の「賞与」という用語の始まりです。
三菱商会では明治21年(1888年)から毎年賞与が支給され、その慣行が他の企業にも広まりました。
戦後、労働組合の推進により夏と冬の賞与が一般的になり、「ボーナス」という言葉が普及し、現在に至っています。
世界各国におけるボーナスの概況
世界各国で見られるボーナスの習慣は、国や地域、企業によってその形態や時期が大きく異なります。
以下に具体的な例を挙げてみました。
アジアの国々
中国、台湾、ベトナムでは、通常年末や旧正月前に給与の1〜2ヶ月分のボーナスが支給されることが一般的です。
タイ
企業によってボーナスの支給状況に差があり、何も支給されない場合もあれば、年に一度12月やタイの新年前に半年分の給与が支給される場合もあります。
インドネシア
ボーナスの支給は法律で義務付けられていないものの、一部の企業が年1〜2回、給与の1〜2ヶ月分を支給しています。
ラマダン終了後の「レバラン手当」は義務付けられています。
フィリピン
12月には給与の1ヶ月分のボーナスが法律により義務付けられています。
北米
カナダでは年俸制が一般的でボーナスの支給は少ないですが、アメリカでは業績に基づくボーナスが一般的で、特定の時期や回数に制限はありません。
ヨーロッパ
イタリアでは、夏(7月1日)と冬(クリスマス前)に給与の1ヶ月分のボーナスの支給が法律で定められています。
ボーナスの習慣は国や地域によって異なりますが、その起源は日本の江戸時代にさかのぼることができます。
その時代、盆と正月に主人が奉公人に新しい着物を贈る「お仕着せ」という風習がありました。
現代のボーナス制度が正式に確立されたのは第二次世界大戦後のことです。
ですが、以前から労働者にとってボーナスは大事な収入源の一部とされていました。